准看護師制度って

准看護師の制度って、結局どうなるのだろう。

日本看護協会が看護師の制度を一本化しないと扱いにくいからと言って、長い間、厚生労働省とやりあった結果、悲願とも言える准看護師の廃止方向となった。

そもそも、看護師は国家試験によって、厚生労働大臣から与えられる免許だが、准看護師は各自治体、つまり各都道府県で教育と試験を行い、知事が免許を与えている。よって、本来であれば、准看護師は他府県では就労できない。東京都で准看護師の資格を取っても、神奈川県や、千葉県、埼玉県など知事が違えば免許は有効ではないので、看護師としては活動できないのだが。

一方、すでに神奈川県では新たな准看護師の教育を停止している。問題は現在、准看護師の資格しか持っていない看護師だ。今後、後輩はすべて正看護師の資格を持って病院に入ってくるのは、やはり面白いものではないだろう。

移行期間と救済措置は考えられているようだが、現在、上がっている改正案は、2年間の通信教育の後、正看護師としての国家試験を受験するというものである。多忙な看護師にとって受験勉強は非常に大きな負担だ。総務省も絡んでいるようだが、特に意見は表立って出していない。

そもそも、准看護師第二次世界大戦時の看護師不足から特例措置として設けられた制度なのだから、見直すのであれば、もっと早くできたはずであろうことをやってこなかったのは、旧厚生省と労働省の怠慢としかいいようが無い。

医療費が膨張を続ける中で、安倍政権としてもまじめに取り組むべき問題ではなかろうか。